Midori Nursery & Kindergarten 3/4

みどりこども園 第3回(全4回)

「これじゃない」を引き出しながらたどり着いた室内イメージ

神戸の閑静な住宅街にある、みどりこども園。地域の子どもたちが集う場所にアクタスが提案したインテリアが採用されている理由には、園長・豊田則子様の子どもたちに対する想いが溢れていました。想いを形にしたのが、普段から会話の端々で豊田様の想いを感じていたというアクタス営業担当の金平。どのようなプロセスで想いを形にしたのか、2人に伺いました。

豊田
ランチルームのテーブルも作っていただいたものです。テーブルは普段は円形にしていますが、カリキュラムに合わせてテーブルの形を組み替えられるようにお願いしました。

金平
園舎も丸い形をしていますし、円形だと子どもたちが向かい合って食事ができます。また、大人数が利用する際は、組み替えてS字型に繋げてもらうと会議するときなどにも便利です。空間的にも、S字が繋がってヘビのような形のテーブルがあるのは楽しいですし。椅子は、先生の「子どもを“社会の一員”として育てたい」という想いから、子ども用の椅子ではなく大人が使う椅子を。「本物を与える」という考えに応えてデンマークのインテリアブランドのものを採用しました。

豊田
外食するとき、レストランに子ども用の椅子がないことも多いんです。だからしつけの一環として、両足が床につかない椅子に座ってもお行儀よく食事できるようにしたい、という想いがありました。

金平
椅子の色も3色にしたことで、自然と子どもたちの個性が出ますよね(笑)。「今日は緑色に座ろう!」とか。

豊田
椅子を片付けるときも、同じ色の椅子を重ねる子もいれば、色のバランスを考えて並べたりする子もいて(笑)。同じ色なら何も考えないんでしょうけれど、色が違うことによって自然と配色を考えることができる。そんな環境の中で育まれるものがあるのかな、と思っています。

― 隣接の「箕谷児童館」でも子どもたちがのびのびと遊んでいました。

豊田
「箕谷児童館」のエントランスは、まずイメージを金平さんに相談して、最初にいただいた提案で話が進んだのですが、途中で「何かが違う」と感じてしまって。

金平
以前はテーブルと椅子が置いてあったので、最初はその延長線でテーブルと椅子がある空間を提案したんです。でも、ブレストする中で先生から「児童館は、小学生だけでなく赤ちゃんも来館するので、いろいろな年代の子どもたちが使えるような空間にしたい」というお話をいただき、「先生が思い描いているのはテーブルと椅子がある空間ではないな」と。それで、使い方から内容までをガラッと替えて「公園」をイメージし、中央にソファにもテーブルにも使える家具を配置しました。緑に囲まれた公園のような空間が室内にあると子どもたちもリラックスできますし、家に帰る前に思い切り遊んで帰ることもできます。すると先生が「こういう空間が作りたかった!」と言ってくださって。

豊田
「まさにこれです!」と(笑)。これと決まったら、そこからは早かったです。

金平
私も、まずは提案書を出してみて、先生から「ノー」をどんどん引き出しながら、イメージに近づけられるようになったかなと思います。最近では提案書を出したとき、表情を見るだけで「これ!」なのか「これじゃない」のかがわかります(笑)。

> みどりこども園 4/4「地域財産と思ってもらえるような子育て拠点に」に続きます。

豊田 則子
社会福祉法人翠福祉会 みどりこども園 園長
社会福祉法人 翠福祉会 幼保連携型認定こども園 みどりこども園

兵庫県神戸市生まれ。武庫川女子大学家政学部食物学科修了後、4年程の会社勤務の後、約10年間の専業主婦生活を送る。3人の子育てを通じて子育ての楽しさを知る事となり、幼児教育の魅力に目覚める。3人目の出産後に近畿大学豊岡短期大学及び親和女子大学通信教育部幼児教育学科にて幼児教育を学び平成16年から現職に就く。平成24年からは児童館館長を兼務し、地域に根差した運営を目標に、乳幼児保育の重要性を踏まえ、青少年の健全育成支援、保護者への子育て支援に取り組む。

金平木綿子
アクタス営業 インテリアコーディネーター
アクタス 法人営業部 コントラクトチーム

デベロッパーでの企画設計を経て、2004年ACTUSに入社。直営店舗での、キッチン・家具の営業として7年勤務、その後法人営業部へ異動となり5年となる。内装を含め、家具・照明・ディスプレイに至るまでお客様が永く心地よく過ごしていただけるような空間の提案を心掛けている。日々感謝。ありがとうと言って頂ける幸せと責任感が原動力になる。

社会福祉法人翠福祉会 みどりこども園

住所:〒651-1233 神戸市北区日の峰1丁目20-1
お問合せ:078-581-7077
WEBサイト:http://midori-fukushikai.or.jp/midori/