オフィス内装費用の目安と進め方

オフィスの新築や移転、リニューアルなどの際に行うオフィス内装工事。内装工事というと、専門の施工業者にすべてをお任せするというイメージがありますが、従業員のニーズに合った快適なオフィス空間に仕上げるためには、内装工事の目的や必要性をきちんと理解し、積極的に関わっていくことが大切です。オフィスの内装工事を計画的に行うことで従業員のモチベーションの向上や生産性の向上につながるだけでなく、オフィスを訪れるクライアントからの印象も良くなるでしょう。

では、実際にオフィス内装工事を行う場合、どこから始めれば良いのでしょうか。今回の記事では、オフィス内装工事について、その費用の目安や進め方のポイントを詳しく解説していきます。

オフィス内装工事とは

オフィス内装工事は、模様替えのように単に見た目を変えることではありません。ここではまず、その定義から、実際にどんな効果があるのかを詳しく見ていきましょう。

オフィス内装工事の定義と目的

オフィス内装工事の定義は、既に出来上がっている建物の内部を仕上げたり整えたりすることです。主に床や天井、壁などの表面に関する工事のことで、水道やガス、電気といった設備工事を含む場合もあります。

オフィスの内装工事にはさまざまな種類がありますので、具体的な工事内容についてもう少し詳しく見ていきましょう。例えば、ワンフロアの広々としたオフィスを、部署や用途に応じてパーテーションや壁を設置して間仕切りするなど、レイアウト変更の工事もオフィス内装工事のひとつです。また、床上に出ているLANケーブルや電話の配線などを床下に収納する回線工事、足音や室内の音の反響を抑えるために床にタイルカーペットを敷いたりする床工事、防音性や空調効率を高めるための天井工事などがあります。

こうしたオフィス内装工事を行う目的は、生産性や従業員のパフォーマンス、企業イメージの向上や、業務の効率化などが挙げられます。

オフィス内装工事の具体的な効果

実際にオフィス内装工事を実施した場合、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。

大きな効果としては、オフィス内装工事をすることによってオフィスの環境が改善され、従業員が快適な空間で働くことができるということです。心身ともにストレスを感じずに働くことができれば、従業員のパフォーマンスが向上し、結果的にはその会社の生産性向上にもつながります。

また、オフィス内装工事によって動線を見直すことができれば、より効率的に業務を行うことができます。特に社員が増えてオフィスが手狭に感じるときには、動線を見直す良いきっかけでしょう。さらには、オフィス内装工事は従業員の満足度を高める効果もあります。従業員一人ひとりが働く環境に満足していれば、従業員の定着率も上がってくるはずです。

そしてこうした効果は、最終的に企業イメージの向上にもつながっていきます。内装工事によって魅力的なオフィスデザインになれば、企業としての大きなアピールポイントにもなり、採用力の向上にも効果を発揮するはずです。

オフィス内装工事の費用の目安

オフィス内装工事を検討する際に気になるのが、費用面でのことではないでしょうか。ここからは、費用がどのように算出されるのか、大まかな目安について解説していきます。

内装工事の坪単価

オフィス内装工事の費用は、坪単価という形で算出されるのが一般的です。坪単価というのは1坪あたりの費用のことで、大まかな目安としては10万円〜30万円/坪と考えると良いでしょう。なお、坪単価は工事内容や使用する材料、地域や施工業者によっても変動することがあります。

50坪の物件の内装工事費用の例

オフィスの内装工事にかかる費用は、工事の規模や内容、使用する材料などさまざまな要因によって金額が異なりますが、坪単価の目安を10万円〜30万円とした場合、50坪の物件の内装工事で500万〜1000万円になります。

オフィス内装工事の進め方

では、実際にオフィス内装工事を行う場合、何から始めれば良いのでしょうか。内装工事は大掛かりなプロジェクトになりますので、細かなステップに分けて準備を進める必要があります。ここからは、オフィス内装工事の進め方について、各段階に分けて詳しく見ていきましょう。

内装工事の計画段階

まず、内装工事の計画段階では、なぜ工事を行うのかという「目的」と、どのようなオフィスにしたいのかという「ビジョン」を明確にしていきましょう。

目的を明確にするためには、現状の課題をしっかり洗い出すことが大切です。実際にそのオフィスで長時間過ごす従業員から、どのような点に不満があるのか、どのような部分に不便さを感じているのか、具体的な要望をヒアリングしてみましょう。複数の問題点や課題などが挙げられた場合には、解決すべき優先順位をつけていくことも大切なポイントです。

先にも述べたとおり、オフィス内装工事の費用負担は決して小さいものではありません。予算内で最大限の結果を得るためにも、この部分にしっかり時間をかけて準備していきましょう。

内装工事の目的が明確になったら、つぎは工事をする範囲を決めていきます。内装工事後のビジョンを社内で共有し、どのような仕上がりにしたいのか考えていきましょう。

また、施工業者の選定も重要なポイントのひとつです。内装工事の費用は施工業者によっても異なるため、複数の施工業者から見積もりを取るのが理想的でしょう。施工業者が決定したら、具体的な費用やスケジュールについて決めていきます。

特にLANケーブルなどの配線工事を行う場合には、業務への影響を最小限に抑えたスケジュールを組んでいくことが大切です。土日や長期休みの期間が理想的ですが、その時期は施工業者側も繁忙期にあたるため、希望通りの予定が組めない可能性もあります。内装工事をすることが決まったら、できるだけ早い段階で施工業者に予約を入れるようにしましょう。

内装工事の実施段階

施工業者が決まれば、いよいよ内装工事が始まります。この段階で大切なのは、計画通りに進めるためのプロジェクトマネジメントです。施工業者としっかり連携を取り、進捗状況を定期的に確認していきましょう。また、施工業者に任せきりにするのではなく、実際に現場を見ることも大切です。万が一予期せぬトラブルが起きた場合の対応策についても、事前にしっかりと考えておきましょう。

内装工事の完了後の段階

オフィス内装工事の完了後は、工事が予定通りに行われたかどうか確認する時間が必要になります。引き渡し前の最終チェックでは、図面を見ながら細かいところまでしっかり確認し、不具合が見つかった場合には、追加工事を依頼しましょう。また、電気や水道、ネットワークなど全ての設備が正常に作動するかどうか確認することも忘れずに。

内装工事完了後の確認がすべて問題なければ、従業員が新しいオフィス環境にスムーズに適応できるように移行計画に基づいてサポートしていきましょう。

まとめ - オフィス内装工事の効果とその進め方

オフィス内装工事は、単なる模様替え以上の効果をもたらします。計画的に進めることで、従業員の働きやすさを向上させるだけでなく、企業の生産性向上にもつながるはずです。オフィス内装工事を検討している方は、今回ご紹介した内容を参考にして準備を進めてみてください。

なお、ACTUS for PROFESSIONALでは、オフィス環境のさまざまなお悩みの解決をお手伝いする「空間プロデュース」を行なっています。オフィス内装のリフォームをご検討中の法人様は、ぜひお気軽にACTUS for PROFESSIONALまでご相談ください。