インフォーマルコミュニケーションの鍵:社内コミュニケーションの活性化と効果的な取り組み
インフォーマルコミュニケーションとは、普段の業務とは別で交わされる、何気ない会話のことです。こうした雑談の場を積極的に設けることで、社内コミュニケーションの活性化につながります。
今回は、インフォーマルコミュニケーションを社内文化として醸成するための、効果的なオフィスづくりについて解説します。
インフォーマルコミュニケーションとは?
インフォーマルコミュニケーションとは、業務連絡など以外で偶発的に起こる雑談のことです。まずは、その定義やメリットから確認していきましょう。
フォーマルとインフォーマルの違い
「インフォーマル」とは、「フォーマル(formal)」に否定を意味する接頭辞「in」がついた言葉です。「フォーマル」が「公式」と訳されるのに対し、「インフォーマル」は「非公式」などと訳されます。
つまり、インフォーマルコミュニケーションは「偶然に会った人との会話」として、社内での雑談や偶発的に起こるコミュニケーションを指す言葉です。一方でフォーマルなコミュニケーションは、会議や業務上の報告・連絡などを指します。
インフォーマルコミュニケーションのメリット
一見、無駄なものと捉えられがちなインフォーマルコミュニケーション。しかし、社内での雑談を活性化することには、多くのメリットが存在します。
まず期待できるのが、社員同士の連帯感の向上です。仕事や業務と距離を置いた何気ない雑談は、お互いの信頼関係を構築する第一歩になります。
そうして少しずつ築かれた信頼関係が、業務上のコミュニケーションにもプラスの影響を与えます。具体的には、意見を言う際のハードルが下がり、良質なアイデアが生まれやすくなることなどが期待できるでしょう。
また、インフォーマルコミュニケーションの活性化は、社員のメンタルにも良い影響を与えます。同僚はもちろん、上司や部下とも普段から雑談できる関係であれば、業務上の緊張感やプレッシャーがほぐれ、ストレス緩和にもつながるでしょう。
インフォーマルコミュニケーションの促進方法
インフォーマルコミュニケーションは、オフィス環境や働き方を工夫して促進することも可能です。
オフィス環境の工夫
社員同士のインフォーマルコミュニケーションを活性化できるよう、オフィス環境に工夫を凝らしてみましょう。
例えば、オフィス内にカフェスペースがあれば、ちょっとした休憩で利用する際に他の社員と交流しやすくなります。話をしやすいよう、カウンターやベンチを用意するのもいいでしょう。
カフェスペースの設置が難しい場合は、マグネットスペースを活用してみましょう。マグネットスペースとは、自販機やドリンクコーナーの前、コピー機の前、社内掲示板の前など、人が自然と集まりやすい場所のことです。そうした場所に、ちょっとした椅子や机を用意するだけで、待ち時間や小休憩の間に社員同士の雑談を促進できるでしょう。
そのほか、デスク配置を横並びにして会話しやすいようにしたり、フリーアドレス制にして社員同士が交流しやすい環境にしたりと、さまざまな工夫が可能です。
リモートワークでのアプローチ
リモートワーク(テレワーク)が普及する中で、社員同士が顔を合わせる機会が減ってしまうことも懸念されます。そんな中では、インフォーマルコミュニケーションがとれる機会を積極的につくる努力が必要です。
- チャットに雑談用のルームを設ける
- オンライン会議の前にアイスブレイクの時間を設ける
- オンラインでのランチ会、飲み会を企画する
リモートワークが中心の場合でも、工夫次第でインフォーマルコミュニケーションの活性化を図ることができます。オンラインならではのアプローチを検討してみましょう。
上司の役割と社内文化の醸成
特に上司の立場にある人は、部下が自分や他の社員と自由に雑談できる場を意識的に設けることが重要です。ここからはインフォーマルコミュニケーションに欠かせない、上司による工夫や社内文化の醸成について特に重要なポイントを解説していきます。
上司による積極的な関与
社内のインフォーマルコミュニケーションを活性化していくためには、上司にあたる立場の人が率先して雑談しやすい雰囲気づくりを行うことが欠かせません。チームメンバーや部下に対して積極的に声をかけたり、雑談の場を設けたりする工夫を行いましょう。上司のそうした姿勢が話しやすい空気を生み、コミュニケーションが活性化し職場の人間関係の改善にもつながるでしょう。
特におすすめなのが、定期的な1on1ミーティングの実施です。その際、相手にプレッシャーを与えないような雑談や相談を気軽にできる時間を設けることで、部下と打ち解ける機会となります。
社内文化としてのインフォーマルコミュニケーション
インフォーマルコミュニケーションは、社内文化として根付かせていくことが効果的です。会社全体として、インフォーマルコミュニケーションを重視している姿勢が社員にも伝わるよう、取り組んでいきましょう。
- インフォーマルコミュニケーションの重要性を周知する機会を設ける
- オープンなオフィス環境、コミュニケーションを意識する
- 部署やチームを超えた懇親会を定期開催する
インフォーマルコミュニケーションのメリットを社員も理解できれば、メリハリのあるコミュニケーションによって、企業全体の生産性につながっていくでしょう。
まとめ - インフォーマルコミュニケーションが生まれる職場環境づくり
社内コミュニケーションの活性化は、社員が生産性や創造性を発揮しながら、いきいきと働ける職場環境につながります。その雰囲気を生み出すために重要な役割を果たすのが、インフォーマルコミュニケーションです。まずは上司の立場にある人から、部下やチームメンバーとのコミュニケーションの仕方を見直したり、オフィス環境を見直したりと、効果的な取り組みを取り入れていきましょう。