オルガテック東京とは

1953年にドイツ・ケルンで始まり、2022年に東京に初上陸した世界最大規模のオフィス家具見本市「オルガテック」。2024年5月には、前回・前々回よりもさらにスケールアップした「オルガテック東京2024」が開催されます。

オルガテックはオフィス家具業界において、どのような役割を果たしてきたのでしょうか。オルガテックの歴史や東京上陸の背景とともに、「オルガテック東京2024」の見どころを解説します。

オルガテックの歴史と意義

2年に1度ケルンで開催されるオルガテックは、オフィスシーンにおける「イノベーション」の代名詞。本国ドイツで70年以上の歴史をもつオルガテックが、いかにして日本にやってきたのでしょうか。その経緯を紐解きます。

オルガテックの起源と進化

オルガテックは、1953年に始まった世界最大規模のオフィス家具見本市です。2年に1度、西ドイツの都市ケルンで開催されています。回を重ねるにつれて、オフィス家具だけでなく、照明や音響、メディアテクノロジーなど展示の幅を拡大してきました。

現在はプランニングからインテリア、設備、マネージメントにいたるまで、オフィス施設のあらゆる分野をカバー。世界のトップブランドがこれからのオフィスのあり方や新たなソリューションを提案する場として注目されており、今後のビジネスシーンを占う役割を担っています。

世界の業界主要企業700社以上(2018年実績)が出展し、出展者・来場者においても外国企業の割合が50%以上を占めるなど、国際色豊かなのもオルガテックの特徴です。世界中から、建築家、インテリアデザイナー、卸売業者、バイヤーなど、オフィス家具業界の専門家が一堂に会する場となっています。

オルガテック東京の誕生

2022年4月、ドイツのオルガテックを運営するケルンメッセの日本法人と、日本オフィス家具協会の協業により、ドイツ国外初となる「オルガテック東京2022」の開催が実現しました。

ドイツ国外初のオルガテックが東京開催となった要因として、新しいマーケットの発掘を模索していたケルンメッセが、アジアのマーケットをけん引する「東京」に可能性を感じたことが挙げられます。また、ドイツのオルガテックに出展していたヨーロッパ企業から「ドイツ以外でオルガテックを開催するなら、東京で開催してほしい」という声があったことも東京開催を後押ししたといいます。

日本やアジアの家具マーケットのポテンシャルを踏まえて開催が決まった「オルガテック東京2022」には、世界8カ国から63社(日本 47 社、海外16 社)が参加。コロナ禍でありながら、また初開催でありながら、3日間で21,958人が来場しました。

出展企業数こそドイツのオルガテックの10分の1以下ではありましたが、東京開催を知って初出展を決めた企業もあったほか、主催者も驚くほど各ブースの展示のレベルが高く、今後の可能性を強く感じさせるものでした。

こうした反響を受け、「オルガテック東京」は今後も毎年春に開催されることが決まっています。それまで、日本にはオフィス家具を中心とした大規模な見本市がありませんでしたが、「オルガテック東京」の誕生により、オフィス家具を扱う企業にとって、新規顧客獲得の絶好のチャンスが生まれたといえるでしょう。

オルガテック東京2024年の特徴とテーマ:「SHIFT DESIGN」

第3回目となる「オルガテック東京2024」は、2024年5月29日~31日の3日間、東京・有明の「東京ビッグサイト」で開催されます。年々スケールアップするオルガテック東京、2024年はどのようなイベントになるのでしょうか。

オルガテック東京のテーマ

「オルガテック東京2024」のテーマ「SHIFT DESIGN」には、「デザインは働き方を自由にする」というメッセージが込められています。

「SHIFT DESIGN」は「オルガテック東京2023」から引き継がれたテーマで、2024年は「卓越したデザインが秘める可能性と魅⼒」をより深く追求していくといいます。

オルガテック東京2024における「SHIFT DESIGN」の展開

コロナ禍を機にリモートワークが普及するなど、働き方が多様化している時代だからこそ、「未来を働くデザインがある」をコンセプトに、未来のワークスタイルを提案することが、「オルガテック東京2024」の目的のひとつ。優れた機能や美しいデザインだけにとどまらない、最新のデザインとソリューションがもつ無限の可能性を体感できる場とすることを目指しています。

また、主催者企画エリア「CIRCULAR MIRAI」では、「Circular Economy(循環経済)」の考え方に基づき、オフィス環境に関連する「廃材や資源」「製造⼯程の加⼯素材」「再⽣商品」などを展示。「循環する未来」を創る素材の紹介を通して、サステナブル素材の可能性に光を当てます。

「オルガテック東京2024」には、日本と世界各国から約150社のトップブランドが集結予定。2023年は127社が出展し、展示面積が前年比で約2倍になるなど、2022年よりも大幅にスケールアップしての開催でしたが、2024年はさらなる盛況ぶりが期待されます。

まとめ - オルガテック東京2024が示す未来像

2022年に東京に初上陸し、2024年で3回目を迎えるオルガテック。働き方が多様化し、ライフとワークの調和が叫ばれる中、「オルガテック東京2024」は、効率化だけでなく、イノベーション、サステナビリティなど、これからのオフィスで大切にすべき価値観や、より自由な働き方へのヒントを散りばめたイベントになるのではないでしょうか。

出展者数、展示面積ともに年々その規模を拡大しているオルガテック東京には、日本はもちろん、世界のオフィス家具業界関係者から、これまで以上に熱い視線が注がれることになりそうです。